発達障害の子どもの自己肯定感を高める方法
2025.05.02

東京都板橋区にある小児専門デイケア施設ハートライン清水町です。今回は、「発達障害の子どもの自己肯定感を高める方法」についてお話をしていきます。
目次
- 自己肯定感とは?なぜ大切なのか
- 発達障害のある子どもが感じやすい“生きづらさ”
- 否定される経験が自己肯定感を削ってしまう理由
- 自己肯定感を育む日常の関わり方
- 親自身の心の余裕も大切に
- 専門的な支援の力も借りてみる
- 最後に
自己肯定感とは?なぜ大切なのか
自己肯定感とは、「自分はこのままでいい」と思える気持ちのことです。できる・できないではなく、「自分は大切な存在だ」と信じる力。この感覚があると、自分に自信が持てたり、失敗をしても立ち直れたり、周りとの関わりの中で安心して過ごすことができます。特に成長期の子どもにとって、自己肯定感は心の土台のようなもの。だからこそ、小さいうちから少しずつ育んでいくことがとても大切です。
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発達障害のある子どもが感じやすい“生きづらさ”
発達障害のある子どもたちは、日常生活や集団の中で「できない」「わからない」といった経験を重ねがちです。例えば指示がうまく聞き取れなかったり、空気を読むことが難しかったり、感覚の違いによって不快感を抱きやすかったり。本人なりに頑張っていても、「なんでできないの?」「ちゃんとしなさい」といった言葉が返ってくると、自分の努力が否定されたように感じてしまうことがあります。その結果、「自分はダメなんだ」と思い込み、自己肯定感が育ちにくくなってしまうのです。
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否定される経験が自己肯定感を削ってしまう理由
私たち大人でも、否定されたり、比較されたりすることが続くと、自信をなくしてしまいますよね。それは子どもも同じです。特に発達障害のある子どもたちは、日々さまざまな困難に直面しています。努力しても結果が伴わないことが多く、そのたびに叱られたり、誤解されたりすると、「どうせ何をやっても無駄だ」と感じやすくなります。このような経験の積み重ねが、自己肯定感の芽を摘んでしまうのです。逆に、「できた」「ほめられた」「わかってもらえた」といった経験は、自信につながり、「自分にもできることがある」と思えるきっかけになります。
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自己肯定感を育む日常の関わり方
では、どうすれば発達障害のある子どもたちの自己肯定感を高められるのでしょうか。まず大切なのは、「できたこと」に注目することです。たとえ小さなことでも、「昨日よりも早く靴がはけたね」「先生に自分からあいさつできたね」と、子どもが頑張った部分を見つけて言葉にしてあげることがポイントです。また、「あなたはあなたでいいんだよ」というメッセージを日常的に伝えることも重要です。「どうしてそんなことするの?」ではなく、「そう感じたんだね」「困ったんだね」と、子どもの感じ方や行動の背景に共感する言葉をかけるようにすると、子どもは安心して気持ちを表現できるようになります。
加えて、子どもが自分で決められる場面をつくることも有効です。たとえば「今日は青いシャツにする?赤いシャツにする?」といった小さな選択でも、「自分で決められた」という経験が、自分を認める感覚につながっていきます。否定されるのではなく、選ばせてもらえることで、子ども自身の存在が尊重されていると感じられるのです。
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親自身の心の余裕も大切に
とはいえ、子育ては思うようにいかないことばかり。特に発達障害のあるお子さんの育児では、周囲の理解が得られにくかったり、疲れがたまったりして、ついイライラしてしまう日もあると思います。でもそんなときこそ、「私も頑張ってる」と自分を認めてあげることが大切です。親の自己肯定感が高まると、自然と子どもへのまなざしもやわらかくなり、関わり方にも余裕が生まれてきます。周囲に頼ったり、同じ立場の保護者と話すことも、心のエネルギーを保つ上でとても大切です。
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専門的な支援の力も借りてみる
自己肯定感を育てるには、家庭だけで頑張りすぎる必要はありません。デイケアや療育施設など、専門的な視点で子どもの成長をサポートしてくれる場所を活用することも選択肢のひとつです。私たちハートライン清水町でも、一人ひとりの個性やペースに合わせて、「できた」「わかった」「楽しい」と思える経験を積み重ねていけるような支援を行っています。保護者の方と一緒に悩み、考え、成長を見守っていく中で、子どもたちの自己肯定感も少しずつ育まれていきます。
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最後に
発達障害のある子どもたちは、まわりと比べられたり否定される経験が多くなりがちです。だからこそ、小さな「できた」を積み重ね、子ども自身が「自分には価値がある」と思える環境をつくることが大切です。大人が子どもの感じ方を受けとめ、少しでも前向きな関わりを続けていくことで、自己肯定感という“心の土台”はしっかりと育っていきます。悩んだときは、ひとりで抱えず、どうぞ気軽にご相談ください。
以上、東京都板橋区にある小児専門デイケア施設ハートライン清水町でした。
何かあれば気軽にご相談くださいね。