発達障害のある子どもと一緒に育む自立の力
2025.06.06
東京都板橋区にある小児専門デイケア施設ハートライン清水町です。今回は、「発達障害のある子どもと一緒に育む自立の力」についてお話をしていきます。
目次
- 「自立」とは何か？家庭でできる第一歩
- 発達障害のある子どもがつまずきやすいこと
- 自立に必要な「成功体験」の積み重ね
- 支援者や保護者ができる具体的な関わり方
- 子どもの「できる」を広げる環境づくり
- 自立に向けて一緒に歩む姿勢の大切さ
- 最後に
「自立」とは何か？家庭でできる第一歩
「自立」という言葉を聞くと、何か一人で全部できるようになることをイメージする方も多いかもしれません。しかし、発達障害のある子どもたちにとっての「自立」は、必ずしも完全な独り立ちを意味するものではありません。むしろ、自分なりの方法で自分のことを理解し、必要なときに周囲のサポートを求められるようになること、それも大切な自立の一歩です。家庭の中で「これ、自分でやってみようか」と声をかけることから始めてみてください。たとえ時間がかかっても、自分の力で取り組んでみる経験が、自立の土台になります。
発達障害のある子どもがつまずきやすいこと
発達障害のある子どもたちは、日常生活の中でさまざまな場面につまずきを感じることがあります。たとえば、身の回りの整理整頓、時間の感覚を持つこと、気持ちの切り替え、人との距離感など、どれもが一見当たり前のように思える行動でも、実はとても難しいのです。こうした難しさを、「甘え」や「わがまま」と受け取られると、子どもはさらに自己肯定感を失いやすくなってしまいます。大切なのは、なぜその行動が難しいのかを理解し、一緒に乗り越える方法を考えることです。
自立に必要な「成功体験」の積み重ね
どんなに小さなことでも、自分でできたという体験は、子どもの自信につながります。発達障害のある子どもにとっては、周囲と比べられることが大きなストレスになることがありますが、比べるべきは「昨日の自分」です。「ボタンを1つだけ留められた」「今日は時間通りに準備ができた」そんな小さな成功体験を積み重ねることが、自立の力を育てていきます。そしてそのたびに、「がんばったね」「できたね」と、行動そのものを認めてあげる言葉がけが、心の栄養になります。
支援者や保護者ができる具体的な関わり方
自立を支えるうえで、周囲の大人の関わり方はとても重要です。まず大切なのは、子どもに「やってみよう」と思わせる声かけをすることです。命令ではなく、提案としての声かけをするだけで、子どもの気持ちは大きく変わります。また、子どもが失敗したときには責めるのではなく、一緒に原因を探りながら「次はこうしてみようか」と前向きに振り返る機会にしていくことが大切です。そして何より、子どもを信じるまなざしを持ち続けることが、子どもの安心と挑戦する力になります。
子どもの「できる」を広げる環境づくり
子どもが自立に向かって成長していくためには、環境づくりも欠かせません。たとえば、視覚的に分かりやすいチェックリストやスケジュール表を使うことで、自分で次の行動を把握しやすくなります。また、失敗してもやり直せる空気のある家庭や支援の場が、挑戦への意欲を引き出します。大人が全部手を貸すのではなく、「ちょっと手伝って見守る」姿勢で接することが、子どもの「自分でできた！」という実感を育てる土壌になります。
自立に向けて一緒に歩む姿勢の大切さ
子どもが自立していくプロセスは、一直線ではなく、時に後戻りしたり、思わぬ壁にぶつかることもあります。そうしたときに必要なのは、「一緒に歩んでいる」という安心感です。親や支援者がいつもそばにいて、自分のペースを尊重してくれるという感覚は、子どもにとって大きな心の支えになります。困ったときに頼れる存在がいることを知っているからこそ、子どもは安心して自分の力を試すことができるのです。
最後に
発達障害のある子どもの自立とは、一人で全部やることではなく、自分の特性を理解し、周囲と協力しながら生きていく力を育むことです。そのためには、日々の小さな成功体験を積み重ね、子ども自身の「できた！」という実感を大切にする必要があります。大人は、その一歩一歩に寄り添いながら、焦らず、穏やかに、信じて見守ることが求められます。ハートライン清水町では、子どもたち一人ひとりのペースに寄り添いながら、自立の力を育てるお手伝いをしています。これからも、子どもたちと一緒に、少しずつ前へ進んでいきましょう。
以上、東京都板橋区にある小児専門デイケア施設ハートライン清水町でした。
何かあれば気軽にご相談くださいね。